ブログ|狭山市入間川で歯科・歯医者をお探しの方はさくらんぼ歯科医院まで

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信頼関係について

2018年9月13日

ラポール歯科医院という名の歯科医院があります。私の友人ですが、「ラポールって相互信頼の意味だよね。良い名前つけたね。」と言ったら、「いやラポールって俺の入ってるテナントビルの名前だから、そのままつけたんだよ。」と言ってました。

治療がうまくいくかどうかについて、私は一番大切なのはお互いの信頼関係だと思っています。初めて会う患者さんに「私は腕が良いんで信頼して下さい。たくさん症例をこなしているんで信頼して下さい。」いくら熱をこめて言ってもなかなか難しい。歯の痛みがとれた、入れ歯でよく咬めるようになったというように、患者さんのニーズにある程度こたえる事ができると患者さんは医師に対して信頼感を持ちます。その経験がくり返されるとその信頼感はますます強くなるでしょう。しかし、この信頼関係は一方的なものであってはなりません。患者も医師から信頼されるようにならなければいけません。歯の痛い時だけ来院して痛みがとれると治療の途中で来なくなる患者さんがいます。そして、だいぶ経ってまた治療した歯が痛くなったと来るのです。痛みがとれる事と治る事とは別です。例えば歯の神経(歯髄)までむし歯が進んで、その痛みで来院した患者さんには神経をとる治療をします。この治療も簡単ではありませんが、神経をとると痛みは劇的に無くなります。ただ医者側からすると大変なのはこの後からです。根の治療をきちんとして何年もあるいは一生、健康な歯として使えるようにしなければなりません。これは大変な事です。根の治療をきちんとやるというのは非常に難しく、私にとっては治療の中でもかなりストレスを感じる治療の一つです。できれば神経をとらないで治療できればといつも願っています。

こういう大変な治療がうまくいくには患者さんの協力が何より必要です。神経をとる治療は根管の中をきれいにして、根管の中をある材料でつめて、芯となる土台を作り、歯の形のものをかぶせる、という流れです。私の場合、最速で6回かかります。場合によっては7,8回かかります。一ヶ月以上の治療になります。ここまで来院して頂くとありがたいのですが、続かない患者さんも当然います。色々な都合があるのでしょうが、医者側から言えば信頼関係が築きにくい患者さんです。根の治療の途中で来なくなり、痛くなってまた来院し、その後また来なくなりのくり返しだと歯の状態はどんどん悪くなり、根管をつめて冠をかぶせた後の予後にもかなりの影響を与えます。治療は医師と患者の協同作業なのですが、医者は相手に信頼関係を望めないとかなりつらいです。

ただ、中には来たり来なかったりのくり返しでも、いつの間にか良い関係になるケースもあります。一人の女子中学生がいました。彼女はむし歯が多く、どの歯が痛くなってもおかしくない状態でしたが、痛くなると来院し、痛みがとれると途中でも来院しなくなります。痛くなって来る度にむし歯が進み神経の治療になり、余計に時間がかかるので通院が続かないという悪循環です。しかもむし歯は多数あるので一本だけやっても痛みがとれない場合もありました。それでも年に何回かは痛くなって来ます。何度も来るので自然、会話も頻繁にするようになり、こちらも「だめだよ最後まで来なきゃ」と言いますが、決して強い口調ではありません。痛い歯を治しながら次に痛くなりそうなむし歯も少しずつやってゆく。ブラッシング指導や生活習慣指導もやってゆく。一方で彼女の実生活での波乱な人生も横目で見ながらつきあってゆくうちに、いつしか彼女も子供を持つ親になり、幼い親でありつつも子供連れで来院するようになりました。その頃には徐々に歯の治療も進んでゆき、いつの間にか痛くて来院するのではなく、むし歯がないかどうかの定期検診で来院するようになりました。この患者さんとの相互信頼関係は10年近くかかって築き上げられたものでした。

このケースから分かるのはどちらもあきらめなければいつか信頼関係が築けるという事です。だから私は信頼関係については長い目でみています。少々来院が滞ったからといって、患者さんに苦言を呈する事もありません。ただただ門戸を開いて待っています。とにかくお互いに根気が必要です。少々の感情のもつれがあったとしても時間が解決します。そして信頼関係が築ければなんでもうまくいきます。

さくらんぼ歯科医院 関屋

 
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